前回に引き続き、「組み込み関数」についてご紹介させて頂きます。
今回は、数値計算を扱う「Mathオブジェクト」になります。
数学が苦手な方も多いと思いますが、ここではあまり難しくない代表的なものをご紹介していますので、しっかりと学習しておきましょう。
Mathオブジェクト
一覧表
関数 | 意味 |
---|---|
Math.abs() | 絶対値を取得する |
Math.ceil() | 小数点以下を切り上げた値を取得する |
Math.round() | 小数点以下を四捨五入した値を取得する |
Math.floor() | 小数点以下を切り捨てた値を取得する |
Math.trunc() | 小数点以下を削除します |
Math.max() | 複数の値の中から最大値を返します |
Math.min() | 複数の値の中から最小値を返します |
Math.pow(底、指数) | 底と指数を指定して累乗を返します |
Math.random() | 乱数を返します |
Math.abs()
Math.abs(10); 10 Math.abs(-10); 10 Math.abs('10'); 10 Math.abs([10]); 10
負の値は正の値に戻して絶対値を取得します。
数値でない場合は、数値に変換して絶対値を取得します。
Math.ceil()
Math.ceil(10.5); 11 Math.ceil(10.2); 11 Math.ceil(-10.5); -10 Math.ceil(-10.2); -10
「10.5」も「10.2」も切り上げられて「11」になります。
「-10.5」、「-10.2」のように、マイナスの値は切り上げられて、「10」になります。
指定した値以上の最も小さい整数になります。
数値でないものは数値に変換されます。
Math.round()
Math.round(10.5); 11 Math.round(10.2); 10 Math.round(-10.2); -10 Math.round(-10.5); -10 Math.round(-10.6); -11 Math.round(-10.9); -11
「10.5」は切り上げられ、「10.2」は切り下げられています。
マイナスは間違いやすいので気をつけてください。
「-10.5」は一つ大きい整数に、「-10.6」は一つ小さな整数になります。
数値でないものは数値に変換されます。
Math.floor
Math.floor(10.2); 10 Math.floor(10.5); 10 Math.floor(-10.5); -11 Math.floor(-10.1); -11
対象となる値のより小さな整数を取得します。
Math.trunc()
Math.trunc(10.543); 10 Math.trunc(-10.643); -10
マイナスの値でもそのままマイナスで返されます。
Math.max() Math.min()
Math.max(2,5,10,33,2); 33 Math.min(2,5,10,33,2); 2
それぞれ最大値、最小値を返しています。
Math.pow(底、指数)
// 2*1 = 2 Math.pow(2,1); 2 // 2*2 = 4 Math.pow(2,2); 4 // 2*2*2 = 8 Math.pow(2,3); 8 // 2*2*2*2 = 16 Math.pow(2,4); 16 // 2*2*2*2*2 = 32 Math.pow(2,5); 32
指数が正の値の場合は分かりやすいと思います。
// 2のマイナス1乗 = 1/2 = 0.5 Math.pow(2,-1); 0.5 // 1/2の2乗 = 1/4 = 0.25 Math.pow(2,-2); 0.25 // 1/2の3乗 = 1/8 = 0.125 Math.pow(2,-3); 0.125 // 1/2の4乗 = 1/16 = 0.0625 Math.pow(2,-4); 0.0625 // 1/2の5乗 = 1/32 = 0.03125 Math.pow(2,-5); 0.03125
指数が負の場合は計算が少し分かりにくくなります。
Math.random()
Math.random(); 0.8049728222434258 Math.random(); 0.8555768915293258 Math.random(); 0.029133924459501692
0以上1未満の浮動小数点数を返します。
あとがき
いかがでしたか。
数学と言ってもそれほど難しくはなかったと思います。
ただ、「Math.pow」だけは分かりにくい部分があると思いますので、可能な限り色々なサイトでしっかりと学習しておくようにしてください。
配列と文字列の組み込み関数は以下でご紹介させて頂いております。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。